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滋賀路をゆく その17 近江八幡8(ヴォーリズ建築06)

池田町洋風住宅街の最初に位置する住宅は1936(昭和11年)に完成した石橋邸。
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建物よりもどちらかというと赤煉瓦の塀と門柱が目を引く。
建物自体はどちらかというと和風で、塀のレンガとの対比が面白い。
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これは塀や門柱に使われている焼き過ぎレンガ。
ヴォーリズ建築のシンボル的存在だそうだ。焼きすぎて膨張してしまい、商品価値がなくなったものをコスト低減のために使用したということです。
いつの時代も建築を作る上でコストをどう絞り込めるかということは課題ですね。
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国有形登録文化財に指定された建物で1913年(大正2年)完成した吉田邸。
カワイらしいファサードを持つこの家はコロニアルスタイルの原点ともいうべく住宅となっています。
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こちらも国有形登録文化財に指定された建物で1913年(大正2年)完成の3階建ての旧ウォーターハウス邸。一昨年に老朽化に伴って修復、改修工事が済んだということもあって、外観はきれいになっていました。
こちらも外観のみの見学です。
この住宅の隣にはヴォーリズの自宅があったようですが、それは既に解体されていて現存しません。
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これは長屋形式の集合住宅。界壁はレンガ積みの2世帯住宅である。現在も使われているために見学は外観のみ。
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ヴォーリズ建築散策の最後は1886年に八幡警察署として建設され、1953年(昭和28年)年にヴォーリズによって改修された市立資料館。
随所にヴォーリズらしさが出ている建物で資料館となっているため、有料ではあるが見学可能。

やっとこれで近江八幡に現存するヴォーリズ建築の散策は終了です。
中を見学可能なものでも見学できなかったものを含め、結局25棟のうち21棟見て回りました。
おそらく昔はもっとヴォーリズの建物はこの町に存在していたことだと思いますが、今でもこの棟数が残っているということは近江八幡にとってすばらしい財産だと思います。
それにもまして今でもその住宅に住み続けておられる住まい手の方々には感謝します。
建物はいくら設計がすばらしくても結果的にそれを使う人たちにその運命がゆだねられてしまう。
文化財やら資料館などという形で残されて行くのも一つだと思うけれど、住宅の場合、そこに住み続けて現役として使われることが一番いいのだと思うし、今回、ヴォーリズの設計した住宅を見て回って感じたことでした。

あともう少し(2回かな?いや3回かも)旅行記が続きます。

つづく.....。

二人の造家師が住まいを提案する design studio bAOBab


by zucky67 | 2010-01-12 18:38 | 旅行

design studio bAOBab 鈴木のBLOG さいたま市で住宅を中心に手掛けている設計事務所です。住まいや建築、日々感じること、自分なりのプチハッピーライフを書き綴っています。


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