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建物探訪006 (阿佐ヶ谷団地)

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先日、杉並区役所に行った帰りに阿佐ヶ谷団地に行ってみた。
南阿佐ヶ谷駅から歩いてすぐのところに今から50年前に日本住宅公団が供給した低層、中層の分譲集合住宅である。
350戸のうち232戸をテラスハウスとし、そのうち174戸の標準設計を前川事務所が行なった。半世紀経つと植栽も大きく育ち、周辺環境に比べ、隣棟間隔を取って贅沢な共有スペースがある配棟計画となっている。
今、再開発計画中なので空き家が目立ったが、これからどういう建物が建つのだろうか。
住環境はすぐに形成されるものではなく、時間をかけて熟成されて行く物である。昭和33年といえば夢と希望に溢れた日本が高度成長期に向かって行こうとする時代。それから50年、バブルを経験し、21世紀ともなると日本人のライフスタイルも完全に変わったといえるし、東京の街の様子もだいぶ変化した。
半世紀という時間をかけて作られたこうした団地風景も時代の流れと建物の老朽化を考えれば建て替えを考えていかなければならないのも事実である。

今、自分が取組んでいる住風景はどれだけの時間を刻んで行く事だろうか。設計者としてなるべく長く使って欲しいと願うのが普通だが、理想と現実はやはり違う。思い通りに行く場合もあると思うがやむを得ない様々な事情の方が多いと思う。住まいは個人の財産でもあるが、それによって形成される風景は人々にとって共有の財産にもなる。
風景を創り、またそれを残して行く事とそこに長く住み続けることの難しさを感じました。いろいろと考えさせられる風景でした。

by zucky67 | 2008-03-13 01:07 | 建築

design studio bAOBab 鈴木のBLOG さいたま市で住宅を中心に手掛けている設計事務所です。住まいや建築、日々感じること、自分なりのプチハッピーライフを書き綴っています。


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