建物探訪_015 神奈川県立近代美術館 鎌倉
2016年 02月 02日
またしばらく更新が滞ってしまった。
少し油断するといつもそうだ。
1月もあっという間に終わってしまい、このままだとすぐに3月、4月となってしまう勢いだ。
さてたまには建築関係のネタもということで、今回はひさびさの建物探訪です。
今回は先月の31日をもって一般公開が終了した神奈川県立近代美術館 鎌倉。
通称「カマキン」なんて呼ばれているようで、個人的には今回初めて知ったのですが、たぶん訪れたのは数年ぶりくらいでしょうか。
何度か訪れたことはあったのですが、今回は閉館を惜しむ人たちで行列が出来ていました。
日本初の公立近代美術館として1951年(昭和26年)に開館。
戦後間もない時期にニューヨーク、パリに次いで世界で3番目の近代美術館だという。
そんなカマキンが建つ敷地は鶴岡八幡宮の境内。借地契約満了に伴い、敷地返還するため65年の歴史に幕を閉じる。
鎌倉館本館はとりあえず、保存される方向で調整されているようだが、隣接する新館と学芸員棟は取り壊されるのが決まっている。
建物の寿命というのは様々な要件によって決まってくるが、こうした美術館でもなかなか100年以上維持されるのは難しいのでしょうね。
ただ機能や用途を変え、その後半永久的に残ってほしいとも思う。
今でこそ、鶴岡八幡宮の境内に建つカマキンは風景の一部と化していると思うが、竣工当時はどうだったのだろう。
建物が風景化するには時間がかかるし、それを維持するにはコストもかかる。
時代とともにそのニーズが変化し、機能が追いついて行かなくなり、耐震性の強化も必要となれば、新しい技術で最新のものを望むのが日本の実状といえよう。
文化的価値、歴史的価値のないものは壊され、新しい建物が建つ。
こうして古いものが残るという機会は極力少なくなり、新しいものに置き換わっていき、風景も時代とともに変化していく。
今回は本館が残るということが救いである。
どういう形で今後、残されるのか注目したいですね。
できれば一般公開してほしいものです。
完成当時は自然光を採りいれるためのトップライトがあったそうだ。
開館当初は北側の壁面に映画を投影するスクリーンがついていたそうだ。
結局、数えるくらいの回数しか行くことが出来ませんでした。
またいつの日か訪れることが出来ることを楽しみにしていよう。
二人の造家師が住まいを提案する design studio bAOBab
by zucky67
| 2016-02-02 11:55
| 建築