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歌舞伎に行ってみた その1

昨日、初めて歌舞伎座で歌舞伎を観てきました。人生初(小学生の時、体育館で勧進帳を観た以来)の本物の歌舞伎です。
なぜ行ってみようかと思ったかというとご存知の様に22年4月興行を最後に今の歌舞伎座が取り壊されることになったためです。

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新年より16ヶ月間、「歌舞伎座さよなら公演」と銘打って興行される最初の「壽初春大歌舞伎」には出演される俳優たちも松本幸四郎、中村吉右衛門、坂東玉三郎、中村勘三郎などテレビでおなじみの名前が多く、行くキッカケにもなりました。
歌舞伎座は明治22年に現在の場所に外観が洋風、内部は日本風の3階建て檜造りの建物だったそうです。その後明治44年に純日本式の宮殿風に大改築と増築が施されたのですが、漏電により焼失。大正13年に岡田信一郎の設計により現在の原形となる鉄筋コンクリート造に建て替えられました。しかしこの建物も空襲を受け、外郭を残し焼失、昭和25年、吉田五十八設計により改修工事が行なわれ、現在の形となる。
今の歌舞伎座となってもう60年近く経ち、以前の歌舞伎座を知っている方も少ないだろう。新しい歌舞伎座がどのようなデザインとなるかはまだ知らないが、心象風景として残る歌舞伎座のイメージは現在の形だろう。しかしやがてそれも未来の歌舞伎座に取って変わられることになるだろう。その繰り返しをして歴史は積み重ねられて行く。

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歌舞伎座の姿形は変われども、そこで演じられた歌舞伎を観てきた人びとの120年もの間培われて来た歴史は文化の一つです。今までその文化に触れて来ようとしなかった自分は、単に理解できなかったのか、または観ていて退屈な感じがしていたのか、いわゆる食わず嫌いな感じだと思い込んでいたのだろう。40年生きて来て初めて自分の中で理解出来る知識も少しは蓄積されてだろうし、日本の文化に触れる、歴史に触れるということが大切だと思い始めたことが歌舞伎を一度自分の目で観てみたいと思った理由でもある。(年をとって来た所為なのかもしれませんが)

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おそらく若い時にはキッカケがないとなかなか日本の文化にふれることは少ない。(触れたとしてもそれにのめり込める程、魅力を感じることが少ないと思う)流行のものや最先端のものに比べると伝統や歴史というものは、少しかっこわるいイメージや古くさいというイメージを持ってしまうのが若さではないかとも思う。しかし今現在存在するということは綿々と続いて来た歴史や伝統のおかげでもある。先人たちが残して行ったもののうえに立って現代人が生きていることを忘れてはならない。
日本文化の再発見、今興味のある一つでもあるし、日本人に生まれて良かったと感じる。



by zucky67 | 2009-01-09 13:05 | 日本の文化に触れる

design studio bAOBab 鈴木のBLOG さいたま市で住宅を中心に手掛けている設計事務所です。住まいや建築、日々感じること、自分なりのプチハッピーライフを書き綴っています。


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